高松市の市営住宅、香川県の県営住宅に入居する方法・賃料
お住まいを変えるとき、不動産会社を介して賃貸物件などを探すといった方法が一般的だと思いますが、離婚後の経済的変化で、お住まい探しに不安を抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
家賃は収入に対して、無理のない範囲である必要がありますが、収入が少ない世帯にとってはとても難しい問題だと思います。
そんなときは、選択肢のひとつとして市営住宅、県営住宅を考えてみてはいかがでしょうか。
今回は、高松市の市営住宅、香川県の県営住宅に入居する方法と賃料についてご説明します。
<市営住宅>
住宅に困っている低額所得者の方々のために建設や借上した賃貸住宅です。
一般世帯のほか、小学校就学前の児童がいる世帯の方のみ入居できる住宅(子育て世帯向け住宅)もあります。
定期募集(抽選)、常時募集(先着順)の2種類あり、ご自身の状況に応じて応募することが可能です。
子育て世帯向け住宅は、お子さんが15歳に達したときは、退去する必要があるなど条件が設けられているため、申し込みの際は、十分に注意してください。
○申込資格
基本的な条件としては、収入が定められた基準を下回っている必要があります。
まずは、世帯の収入(申込者と同居親族全員の所得を合算し、諸控除額を差し引いた月収)が下記の基準の範囲内であるかどうか確認しましょう。
*一般市営住宅(原則階層世帯)・・・158,000円以下
*一般市営住宅(裁量階層世帯)・・・214,000円以下
*特定公共賃貸住宅・・・・・・・・・158,000円以上487,000円以下
その他、申込資格の詳細は、下記URLをご参照ください。
https://takamatsu-shiei.com/request/entry/
※離婚成立前でも申込は可能です。
ただし、原則、夫婦は共に申込をする必要があるため、資格審査の段階で離婚が成立していない場合は、審査は通りませんので、ご注意ください。
○申し込みから入居までの流れ(一般市営住宅の場合)
①申し込み
②抽選
③当選
④部屋の見学
⑤資格審査
⑥入居手続き
⑦入居(引っ越し)
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①申し込み
募集:3月、6月、9月、12月の1日~10日頃に申込を行います。
場所:高松市役所7階 高松市営住宅管理センター ※完全予約制
<提出書類>
⑴市営住宅入居申込書
下記、URLからダウンロード可能です。
https://takamatsu-shiei.com/wp-content/uploads/2023/02/7ecc70d02f80b99403ef6adc18940cb8.pdf
⑵入居予定者全員のマイナンバー(個人番号)が確認できる書類
⑶身分証明書(運転免許証など)
②抽選
抽選器を使って平等に抽選が行われます。抽選会への参加は自由です。
③当選
結果は、ホームページに当選番号が掲載されるほか、郵送で通知されます。
この通知で当選したか落選したか分かります。
④部屋の見学
見学日は、ある程度、市役所側で決められます。
⑤資格審査
市役所から必要書類の案内が届きますので、市が指定する日時までに提出します。
資格審査、実態調査が行われます。
<必要書類>
⑴住民票謄本(家族全員、続柄が記載されているもの
⑵所得証明書
⑶市税の滞納がない旨の証明
⑷同意書・現住所見取図
⑸母子世帯を証明する戸籍謄本または世帯証明書
⑹その他、該当者のみ提出する書類
※⑵及び⑶は、15歳以上の申込者全員分必要です(18歳以下の学生は除く)。
15歳~18歳までの学生は、在学証明書または学生証の写しでも可。
※⑹は、家族構成や生活状況により必要書類は異なりますので、市からの通知を確認の上、もれなく提出してください。
⑥入居手続き
高松市役所で契約手続きを行います。このときに部屋の鍵を受け取ります。
<持参物>
⑴敷金(住宅使用料の3か月分)
⑵請書(連帯保証人1名の実印の押印、印鑑証明書)
⑦入居(引っ越し)
市が指定した入居日から入居可能です。
スムーズに手続きが進んだ場合、申し込みから入居まで1か月半ほどです。
○家賃のモデルケース
家族構成:Aさん、子4歳
Aさんの年収:180万円(所得控除後)
諸控除:同居親族控除38万円
申込区分:子育て世帯向の住宅
★家賃は、月24,500~39,700円の範囲で決まります。
*年収180万円–諸控除38万円(状況によりその他の諸控除を引く)÷12=約118,333円となり、申込資格の原則階層世帯の収入制限以下となりますが、子が小学校就学前のため、裁量階層の第1階層~第6階層の区分で家賃が決まります。
*具体的な金額は、諸控除や個別具体的な判断が必要となりますので、収入資料等を提出したのち、市役所にて算定されます。
*家賃とは別に共益費、駐車場の使用料などが必要です。
<市営住宅>
住宅に困っている低額所得の方のために、県が賃貸する住宅です。家賃は、住宅建設後の経過年数、部屋の広さ、入居する方の収入状況に応じて算定されます。
定期募集、常時募集以外に、母子世帯などに向けた「登録入居」という方法があります。ご自身の状況に応じた方法にて応募しましょう。
○申込資格(通常申込)
基本的な条件としては、申込者の世帯全員の年間総所得金額を対象とします。
(年間総所得金額-各種控除)÷12=世帯の月収額を下記の表に当てはめ、申込みできる住宅を確認してください。
※その他、申込資格の詳細は、下記URLをご参照ください。
https://kagawa-kenjyu.com/themes/main/assets/docs/info/r5/r5_nyukyobosyu_10.pdf
※婚姻関係にある場合は、夫婦は共に申し込みをする必要があります(世帯分離は認められていない)。そのため、申込
点で離婚が成立していない場合は、申込はできませんので、ご注意ください。
○申し込みから引っ越しまでの流れ
①申し込み
②入居資格仮審査
③抽選
④入居資格本審査
⑤入居仮決定
⑥入居説明会
⑦入居手続き
⑧入居(引っ越し)
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①申し込み
募集:3月、6月、9月、12月の1日~10日頃に申込を行います。
場所:香川県庁東館7階 香川県営住宅管理センター
<提出書類>
下記3点を所定の封筒に入れて、県営住宅指定管理者宛に郵送します。申込後は、原則として申込した住宅を変更するこ
とはできません。
⑴県営住宅入居申込整理票
⑵抽選番号通知はがき(63円切手を添付)
⑶抽選結果通知はがき(63円切手を添付)
*すべて募集案内の冊子に添付されています。
*冊子は、香川県庁東館7階「香川県営住宅管理センター」、各県民センター、県営住宅所在市町役場などで配布されて
います。下記URLからもダウンロード可能です。
https://kagawa-kenjyu.com/info/
②入居資格仮審査
郵送した入居申込整理票により仮審査が行われます。
③抽選
抽選結果がはがきで届きます。
④入居資格本審査
指定された日時、場所に必要書類を持参します。
<必要書類>
⑴県営住宅入居許可申請書 *募集案内の冊子に添付されています
⑵住民票(家族全員、続柄が記載されているもの)
⑶所得課税証明書等(世帯全員分/学生・小さな子どもを除く)
⑷県民税に滞納がないことの証明書(申込者のみ) *発行場所:市町
⑸県民税を除く県税の納税証明書(申込者のみ) *発行場所:県税事務所、中讃税務窓口センター、各県民センター
⑹県営住宅の留意事項について *募集案内の冊子に添付されています。
⑺香川県営住宅連帯保証人確認書 *募集案内の冊子に添付されています。
⑻母子世帯を証明する戸籍謄本または世帯証明書
⑼その他、該当者のみ提出する書類
*家族構成や生活状況により必要書類は異なりますので、市からの通知を確認の上、もれなく提出してください。
⑤入居仮決定
入居手続きまでに次のことを準備しておきます。
<準備物>
⑴敷金(家賃3か月分)
⑵申込者の印鑑証明書
⑶請書(連帯保証人の実印、印鑑証明書)
⑷家賃の支払口座
⑸電気、ガス、水道の申し込み
⑥入居説明会
入居の手続と入居後の注意事項などの説明があります。
入居可能日の約10日前に行われますので、入居する本人が必ず出席してくだい。
⑦入居手続き
<提出物>
⑴敷金(家賃3か月分)
⑵請書(申込者、連帯保証人がそれぞれ記名・押印(実印))
⑶申込者の印鑑証明書
⑷連帯保証人の印鑑証明書
⑧入居(引っ越し)
県が指定した入居指定日から10日以内に入居します。
スムーズに手続きが進んだ場合、申し込みから入居まで2か月ほどです。
*入居指定日は、緊急性がない限り受付月の翌々月の1日となります。
*物件の内覧は、鍵を受け取った日以降であれば、自由に内覧できます。
*鍵の受渡は、入居指定日の前日(平日)となります。
○家賃について
下記の計算式を用いて、家賃を算定します。家賃算定基礎額や市町村立地係数については、公表されていますが、その他の係数については、一般には開示されていないため、本申し込みの際に提出した所得課税証明書などをもとに、県で家賃の計算がされます。
<計算式>
家賃算定基礎額-市町村立地係数-規模係数-経過年数係数×利便性係数(0.5~1.3)=家賃
この記事の執筆者
あい法律事務所
弁護士
山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)
取扱分野
家事案件(離婚・男女問題、相続)
経歴
法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。