離婚協議書作成のポイント(記載例あり)

 

○離婚協議書とは。なんのために離婚協議書を作るのか。

離婚協議書とは、夫婦が離婚条件について合意した内容を書面にまとめた文書です。

具体的な記載内容には、離婚に伴う財産分与、慰謝料、子供の親権や養育費、面会交流などがあり、離婚に関連するさまざまな合意事項を記載します。

 

離婚協議書は、夫婦間の合意を明確に文書化するためのものであり、将来的なトラブルを防ぐために非常に重要です。
この書類を作成し、双方が署名・捺印することで、合意内容が法的に確定し、後々の争いを減少させる効果があります。

離婚協議書の作成は離婚プロセスにおいて非常に重要です。

 

夫婦間の合意を文書化し、法的に確実な形で離婚を進めるために、専門家や弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。

 

〇公正証書にした方がいいと聞きました。公正証書とは何でしょうか?また公正証書にした方がいい理由を教えて下さい。

 公正証書は、公証役場というところで、公証人という人が、法律に基づいて作成する公的な文書です。国のお墨付きをもらった特別な離婚協議書というイメージです。

公正証書にしておくことで、養育費などの支払が滞ったときに、裁判手続きを経ることなく、強制執行手続き(給料の差押えなど)をすることが出来ます。

万が一のことを考えると、公正証書にしておいた方が安心です。

 

〇離婚協議書にはどんなことを書いたらいいのでしょうか?

基本的には、以下の7つの枠について協議し、協議した内容を記載することになります。最後に、清算条項を記載し、お互いに、後から追加の請求をしたりは出来ない、ということを確認します。

① 離婚すること、どちらが離婚届を提出するのか

② 親権者

③ 養育費

④ 面会交流

⑤ 財産分与

⑥ 年金分割

⑦ 慰謝料

+ 清算条項

 

シンプルな離婚条件でまとまった場合には、以下の記載例のとおりとなります。

しかし、実際の離婚条件は人によって、住宅ローン・学資保険・車の名義変更なども盛り込まなければならない場合や、面会交流についてより具体的に記載しなければならないケースがほとんどです。

離婚上協議書は、それぞれの夫婦ごとにオーダーメイドで作成する必要性の高いものですので、ご自身で作成してみたとしても、問題がないかの最終チェックは李kン案件に精通した弁護士にしてもらうことをお勧めいたします。

【記載例】

第◯条(離婚の合意)

甲及び乙は、本日、協議離婚すること及び乙がその届出を速やかに行うことを合意する。

 

第◯条(親権)

甲乙間の長女〇〇(平成〇年〇月〇日生)及び長男〇〇(平成〇年〇月〇日生)の親権者・監護者を乙と定めて、乙において監護養育することとする。

 

第◯条(養育費)

1 甲は乙に対し、前条記載の子らの養育費として、令和〇年〇月から満20歳に達する日の属する月まで、1か月〇万円の支払い義務のあることを認め、これを毎月末日限り乙名義の○○銀行○○支店普通預金口座(口座番号:   )に振込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

2 当事者双方は、子らの病気、進学等の特別の費用の負担については、別途協議するものとする。

 

第◯条(面会交流)

1 乙は、甲が子らと毎月1回程度面会交流することを認める。

2 面会交流の具体的な日時、場所及び方法等については、子の福祉に配慮して、甲及び乙がその都度協議して定める。

 

第◯条(財産分与)

甲は乙に対し、財産分与として金〇円の支払義務のがあることを認め、これを、令和〇年〇月末日限り、乙名義の○○銀行○○支店普通預金口座(口座番号:   )に振込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

 

第◯条(慰謝料)

甲は乙に対し、慰謝料として、金〇万円の支払義務があることを認め、これを、令和〇年〇月末日限り、乙名義の○○銀行○○支店普通預金口座(口座番号:   )に振込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

 

第◯条(年金分割)

甲と乙との間の別紙記載の情報にかかる年金分割について請求すべき按分割合を0.5と定める。

※年金分割のための情報通知書を添付してください。

 

第◯条(清算条項)

甲乙は、本件離婚に関しては、本協議書に定めるほか、互いに何らの債権債務のないことを確認し、今後、名義のいかんを問わず、互いに金銭その他一切の請求をしないことを確認する。

087-832-0550受付 平日9:00~19:00あい法律事務所(香川県弁護士会所属) 最寄り駅:琴電/瓦町駅 JR/栗林公園北口駅

この記事の執筆者

弁護士山口恭平

あい法律事務所

弁護士

山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)

取扱分野

家事案件(離婚・男女問題、相続)

経歴

法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。