母子手当のもらい方(高松市の場合)
児童扶養手当は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもをもつ母子家庭の母親、父子家庭の父親または養育者に支給されます。
今回は、夫婦ともに本籍地が高松市内にあり、離婚後、シングルマザーとなり高松市役所で手続きをとられる方に向け、受給の手続きから支給金額などをご説明します。
目次
❶具体的な手続の流れ
❷受給額の一般的な説明
➌児童扶養手当のモデルケース(年収120万円のシングルマザーの場合)
❶具体的な手続の流れ
⑴離婚前もしくは離婚後に、高松市役所こども家庭課に相談をしてください。
★受給要件に該当する方は、⑵に進みます。
⑵離婚後、「認定請求書」と「添付書類」を提出します。
※毎月月末締め切り
※申請は、受給を希望する本人の対応が必要です。
<主な添付書類>
①戸籍謄本(母親の戸籍に対象児童が入っているもの)
※対象児童が母親の戸籍に入籍前(子の氏の変更前)の場合、下記2点を用意してください。
・元夫の戸籍謄本1通(対象児童が入っているもの)
・母親の戸籍謄本1通(離婚後のもの)
②母親名義の振込先口座がわかるもの(預金通帳など)
③母親の年金手帳
④母親の健康保険証
※元夫の扶養に入っており、母親自身の健康保険証が届くのが先になる場合
離婚に伴い、元夫の健康保険の被扶養者の資格を喪失したことが分かる健康保険
資格喪失証明書があれば仮受付は可能です。
⑤対象児童の健康保険証
※対象児童が元夫の健康保険証に加入している場合
受付は可能です。ただし、後日、対象児童を母親側の被扶養者とした健康保険証を提出する必要があります。
⑥母親と対象児童のマイナンバーが確認できるもの
⑦印鑑(シャチハタ以外)
⑧その他、個々の家庭の状況によって追加で必要な書類を求められることがありますので、窓口で事前確認することをオススメいたします。
⑶認定許可が下りれば、申請の翌月分から計算されます。
⑷毎年8月1日~8月31日までに現況届を提出します。必要書類は対象者によって異なるため、市役所から送られてくる案内書類を確認して手続きをしてください。
❷受給額の一般的な説明
⑴申請者の所得を計算する
まずは、下記の計算式を用いて、所得額を計算します。
所得額=給与所得控除後の金額+年間の養育費(8割)-8万円(社会保険料相当額)-その他該当する控除
※給与所得控除後の金額は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄に記載されています。
⑵ ⑴で算出した金額が全部支給なのか、一部なのか確認する
*高松市役所のホームページより*
扶養 |
令和3年分所得 ( )内は所得額に対応する収入金額 |
||
請求者本人 |
扶養義務者、配偶者 |
||
全部支給 |
一部支給 |
||
0人 |
490,000円 |
1,920,000円 |
2,360,000円 |
1人 |
870,000円 |
2,300,000円 |
2,740,000円 |
2人 |
1,250,000円 |
2,680,000円 |
3,120,000円 |
3人 |
以下380,000円ずつ加算(所得) |
以下380,000円ずつ加算(所得) |
以下380,000円ずつ加算(所得) |
⑶月の支給額を計算する
子どもの人数により計算方法が異なります。第2子、第3子以降は、第1子分に足していきます。
<第1子の場合>
44,130円-{(受給者の年間所得-全部支給の所得制限限度額)×0.0235804}
<第2子、第3子以降の場合>
第2子:10,410円-{(所得額-該当する全部支給の限度額)×0.0036364}
第3子以降:6,240円-{(所得額-該当する全部支給の限度額)×0.0021748}
※{}内は、10円未満四捨五入となります
➌児童扶養手当のモデルケース
家族構成:Aさん、子2人(8歳、6歳)
Aさんの収入:120万円(給与所得控除後)
養育費:年間108万円(月9万円)
諸控除:なし
<計算式>
①所得額(※1)
120万円+(108万×0.8(※2))-8万=198万4000円
②所得制限限度額268万円以下なので、一部支給となります。
③月の支給額
第1子{4万4140円-(198万4000円-87万)×0.0235804}
+第2子{1万410円-(198万4000円-125万)×0.0036364}
={4万4140円-(2万6268.5656)}+{1万410円-(2669.1
176)}
=1万7870円+7740円
=2万5610円
★Aさんは月2万5610円受け取ることができます
※1 離婚する前年度の所得が基準となり、扶養者が元夫側についている場合
所得制限限度額の表にある「扶養親族の数」は、0人で計算します。
例えば、年内に離婚が成立し、年度末の年末調整で対象児童を母親側の扶養親族にした場合、その年度の所得が基準となるのは再来年となります。
※2 養育費は、離婚後に受け取ることになります。そのため、離婚前の前年度は、養育費は受け取っていないため、所得額から8万円(社会保険料相当額)と諸控除(該当があれば)を引いた金額で計算する必要があります。
※1及び※2は、離婚するタイミングにもよるため、ご自身で計算する場合は注意が必要です。
この記事の執筆者
あい法律事務所
弁護士
山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)
取扱分野
家事案件(離婚・男女問題、相続)
経歴
法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。