離婚後の健康保険の手続き(夫の扶養から国民健康保険への加入)
○「会社員である夫の扶養家族として、妻が夫の勤務先の健康保険に加入していた場合」
離婚後は、夫の扶養家族ではなくなりますので、夫の健康保険から外れてしまいます。
その場合、妻側は、離婚後、自ら国民健康保険に加入しなければなりません。
夫の健康保険から、自ら国民健康保険へと健康保険を変更する手続きについてご説明します。
(1)「健康保険被保険者異動届」を提出する
夫は、勤務先に「健康保険被保険者異動届」を提出しなければなりません。
離婚によって、扶養家族ではなくなるからです。これによって、妻は夫の扶養者から外れることになります。
(2)「健康保険証」を返還する
(1)と同時に、健康保険証を勤務先に返還しなければなりません。
夫の扶養から外れると、これまで使用していた夫の勤務先の健康保険組合から発行された保険証は使用できなくなります。
(3)「資格喪失証明書」の発行
健康保険被保険者異動届が受理された後、夫の勤務先から「資格喪失証明書」が発行されます。
資格喪失証明書には、資格喪失日が記載されています。通常は、離婚日=資格喪失日となります。
(4)健康保険加入の手続き
離婚が成立してから、新たに健康保険に加入するまでの間、一時的に健康保険証がない状態になります。
新たに、国民健康保険に加入する場合、資格喪失証明書に記載された資格喪失日に遡って加入することが出来ます。
そのため、健康保険証がない状態のときに通院し、医療費の全額を負担することになったとしても、あとから還付を受けることが出来ます。
切り替えの期限は、扶養の資格がなくなってから14日以内とされていますが、(元)夫の勤務先から資格喪失証明書が発行され、(元)夫経由で資格喪失証明書を受領するまでに14日を超えてしまうこともよくあります。
超えたからといって加入できなくなるわけではないのでご安心ください。
ただ、保険証が手元にない期間が長期化してしまうと、上記のように一時的に医療費を全額負担しなければならない期間が続くことになってしまいます。
(元)夫には、速やかに手続をしてもらうよう依頼する必要があります。
(5)手続き場所
○高松市役所の場合
1階にある国保・高齢者医療課10番窓口にて手続き可能です。
その他、高松市内にある各総合センター・支所・市民サービスセンターでも手続き可能です。
なお、出張所では加入・脱退手続きはできませんのでご注意ください。
(6)持参物
①資格喪失証明書
②身分証明書(運転免許証もしくはマイナンバーカード)
この記事の執筆者
あい法律事務所
弁護士
山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)
取扱分野
家事案件(離婚・男女問題、相続)
経歴
法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。