養育費に含まれているもの、含まれていないもの
Q1 子どもが学校の運動部に所属していて県外の高校との試合で遠征に行ったりとけっこう費用がかかります。部活動にかかる費用は含まれているのでしょうか?
A1 「教科外活動費」という名目で考慮されています。
公立高等学校における令和3年度の「教科外活動費」は、3万9395円/年でした(文部科学省:令和3年度子供の学習費調査)。
実際の支出がこれを大きく超えるような場合で、相手方も子どもが当該部活動への参加することに同意をしていたような場合には、算定表上の養育費に上乗せできる可能性があります。
Q2 修学旅行の費用も養育費に含まれているのでしょうか?
A2 「修学旅行費等」という名目で考慮されています。
公立高等学校における令和3年度の「修学旅行費等」は、1万9556円/年でした(文部科学省:令和3年度子供の学習費調査)。
Q3 塾代・予備校代の費用は養育費に含まれいているのでしょうか?
A3 塾代や予備校代は、算定表の上では考慮されていません。
塾や予備校のような学校外活動費については、これらを利用する必要性が認められる場合には、収入に応じた負担を相手方に求めることができる可能性があります。
Q4 習い事の費用は養育費に含まれているのでしょうか?
A4 ピアノや水泳、書道などの習い事の費用は、算定表の上では考慮されていません。
習い事を同居中から継続している場合、過度な負担にならない範囲で、収入に応じた負担を求めることができる可能性があります。
Q5 大学の授業料は養育費に含まれているのでしょうか?
A5 15歳以上の養育費算定表で考慮している学校教育費は、公立高等学校を前提としています。
公立高等学校における令和3年度の「学校教育費」は、30万9261円/年でした(文部科学省:令和3年度子供の学習費調査)。
国公立大学の場合、授業料だけで約54万円/年です。これに、教科書代や通学費用もかかります。養育費算定表で考慮されていない部分(30万9261円との差額)については、養育費に含まれていない部分として、相手方に負担を求めることができる可能性があります。いくらの加算になるのかは、奨学金の借り入れ状況やお子さんのアルバイト収入の有無なども問題となります。
この記事の執筆者
あい法律事務所
弁護士
山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)
取扱分野
家事案件(離婚・男女問題、相続)
経歴
法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。