熟年離婚 定年後はゆっくり妻と老後を送ろうと思っていたのに、離婚を切り出された。 回避する方法は?

 

「長年何の衝突もなく、平和に連れ添ってきた私たちには無関係」そう思っていたのに…

熟年離婚の一つの特徴として、

①突然であること

②強い覚悟をもって切り出している(翻意させるのが難しい)

という側面があります。

熟年離婚の概要を知り、今から挽回する方法がないのか、離婚するしかないとした場合、どのような備えをしなければならないのか、ご紹介していきたいと思います。

 

○妻が熟年離婚を切り出す理由・背景

「夫が家にいるだけでストレス」

「精神的・肉体的虐待から解放されたい」

「子どもが独立したら離婚するつもりだった」

「夫の面倒(将来の介護)をみたくない」

「長年にわたり不倫をされていた」

「家族を顧みず、仕事や趣味に没頭している」

 

など・・・夫にとっては、些細なことでも妻にとっては“塵も積もれば山となるというように、長年にわたる夫婦生活において、不満は蓄積され亀裂の原因となる場合もあります。

 

また、熟年離婚の場合、離婚を切り出した妻の意思は固く、すでに弁護士に相談していることも考えられます。

 

○熟年離婚を回避する方法

・家事を手伝う

・妻に感謝の気持ちを伝える

・言葉使いを工夫する

 

といったことも有効です。

また、妻に対して、思いやりの気持ちをもって接することも大切です。

これは、一朝一夕に身につくものではありませんが、「家事を手伝う」という行動は今すぐにでもできます。

まずは、自身の習慣や行動をかえる努力をしましょう。

 

○離婚するしかない場合

離婚となった場合、財産分与、年金分割は避けられないケースが多いでしょう。

❶財産分与

婚姻中に築きあげた財産を共有財産といいます。

離婚時または離婚後に共有財産を清算することを財産分与といいます。原則、2分の1ずつに分けられます。

 

❷年金分割

婚姻中に夫婦が収納めた厚生年金の「年金保険料」を分け合う制度です。

多い側から少ない側に対してなされるため、分割する側は、分割しない場合に比べて、将来もらえる年金額が減るということになります。

熟年離婚の場合、分割の対象となる標準報酬総額が多いことや、老後の生活への不安を抱きやすいことから、分割する側のダメージは若くして離婚する場合よりも大きくなるといえるでしょう。

 

このように、熟年離婚となれば、精神的なダメージや経済的な影響は大きく、離婚後の生活や老後にも直結します。きちんと検討・解決する必要があるため、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。

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この記事の執筆者

弁護士山口恭平

あい法律事務所

弁護士

山口 恭平(Yamaguchi Kyohei)

取扱分野

家事案件(離婚・男女問題、相続)

経歴

法政大学法律学科卒業後、早稲田大学大学院法務研究科に進学。卒業後、平成26年に弁護士登録。同年のぞみ総合法律事務所入所。平成29年にあい法律事務所入所。平成30年同事務所にてパートナー就任し現在に至る。